所説ありますが、Risk(リスク)とは、「損失発生の可能性」とここでは理解して下さい。
Risk(リスク)とは日本語で「危険」と訳します。同義語、類似語にPeril(ぺリル)/ hazard(ハザード)/  Danger(デンジャー)/があります。
更に Crisis(クライシス)は危機と訳します。危機はリスクが目の前に迫っている状況と考えます。しかし、これらの言語が厳密に使い分けられていないことも多くあります。特に本来はリスク管理の場合も危機管理と表現することも少なくありません。しかし、ここでの研究は学問ですから危機と危険は分けて考えたいと思います。

従って、リスク管理とは、損失発生の可能性すなわちリスクを無くすこと又は低減することを言います。リスク管理は、まず、リスクの抽出・発見、リスクの評価(アセスメント)、リスク対策(計画と実施)、リスク監視があります。リスク対策の方法としては、リスクコントロールとリスクファイナンスがあります。しかし、リスクファイナンスは飽くまでもリスクコントロールの補完手段と考えます。リスクコントロールで対策が取れない場合に経済対策で乗り切るから逃げの管理とも言えるのではないでしょうか。

しかし、これらのリスク管理で一番大切なことは人間の想像力と物事を感じ取る感性だと思います。人間は長い人類の歴史の中で素晴らしいリスク感性を学び持っていると考えます。しかし、高度に文明が発達するとその感性や神経が鈍ると考えられます。そこに、リスク管理の必要性があると思うのです。
簡単ですが、一般の方にご理解頂けることを念頭に説明させて頂きました。リスク管理は特別な専門家のものではなく市民の中にこそ根差して欲しいと願うものです。

工場とコンピュータのリスク管理